
大学生にとって、長い、長い、夏休み。
「いつもと同じアルバイトを増やすだけの生活は少しつまらない」
そう感じつつも、知らない土地へ飛び出すには勇気がいるものです。 今回は、実際におてつたびに参加し、現在は学生インターンとして大学でのサークル立ち上げや普及活動を行っている4人の現役大学生(全員3年生)に集まっていただき、座談会を開催しました。 動機や選ぶ基準、申し込む前のリアルな不安や親御さんとのやり取り、現地でのトラブル、そして自身のキャリアや価値観に与えた影響まで、大学生目線で本音を話していただきました。
参加メンバープロフィール(※おてつたび内で呼び合っている「あだ名」で掲載しています)
- ふとたた:青山学院大学年。地域コミュニティ全体(地方創生、福祉、教育など)について学ぶ。熊本県天草市の旅館などに参加。
- にし:東京経済大学3年。メディア全般の歴史や変化を学ぶ。教職課程(中学社会・高校公民)を履修し、部活は放送研究会。長野県のキャンプ・ゴルフ場や兵庫県、三重県の旅館などに参加。
- はたけびと:青山学院大学3年。農業系のサークルに所属。長野県の農場や愛媛県のイチゴ農家などに参加。
- やどあし:早稲田大学3年。散歩をするサークルに所属。大学1年生の夏から計5回、伊豆のグランピング施設や和歌山県などに参加。
- 早川 健星(ファシリテーター):おてつたび広報。自身も過去に5回以上おてつたびを利用。

長い夏休み、普通のバイトだけで終わらせたくない4人のきっかけ
早川: 今日はありがとうございます!まずは、おてつたびを利用したきっかけから教えてください。
にし: 私は大学1年生の夏、想像以上に夏休みが長かったので何かしたいと思い、別のサービスを利用して北海道、新潟、富山などを巡っていました。遊園地やパン屋さん、スキー場、カフェなど様々な職種を経験して地方で過ごす楽しさを知ったのですが、そのサービスは募集期間が長かったり手続きが複雑だったりして。もっと手軽に申し込めるサービスはないかと大学2年生の夏に調べて見つけたのが、おてつたびです。元々、お母さんの実家が北海道、お父さんの実家が和歌山で、幼稚園の頃から長期休みは地方で過ごす習慣があったので、地方の空気が好きでした。
ふとたた: 私は、今日一緒に参加しているはたけびとから6月頃に話を聞いたのが最初です。実は私、元々は旅行が苦手で、すぐ家に帰りたくなっちゃう実家暮らしでした。でも、夏休みに入る前に人間関係で少し嫌なことがあって、「とにかく自分を変えたい」っていう気持ちに駆られていたんです。9月が20歳の誕生日だったので、新しい自分になりたいと思い切って申し込みました。元々ははたけびとと2人で行く予定だったのですが日程が合わず、先にはたけびとが行ったのを見て「私も行くぞ」と天草の旅館へ応募しました。
やどあし: 私は高校3年生のとき、新聞で代表の里菜さんのインタビュー記事を読んで知りました。大学生になったら長い休みを利用していろんな場所へ行きたかったのですが、旅費のお金がなくてどうしようかと思っていたら、記事に「お金を稼ぎながら旅ができる」と書いてあったので、大学1年生の夏休みにすぐ応募しました。普段は固定のバイトをしていないので長期休みは時間が空いていて、これまで5回利用しています。
はたけびと: 私も高校生の時にテレビのニュースでおてつたびの特集を見て知りました。当時は高校生が参加できないと知って、大学生になったら絶対にやろうと決めていました。大学2年生の時に長野の農場へ応募したのが最初です。

「初めての一人旅」「バイト未経験」「親の心配」、不安をどう乗り越えた?
早川: 実際に申し込むとなると、葛藤もあったと思います。応募前はどんな不安がありましたか?
やどあし: 私は1年生の夏から参加したのですが、それまでアルバイトの経験が一度もありませんでした。「働いたことがない自分がちゃんと仕事を務められるのか」という、働くこと自体の不安がかなり大きかったです。新しい場所へ行くことに対する不安はあまりありませんでした。
ふとたた: 私は「1人で現地までたどり着けるか」が本当に不安でした。行き先が熊本の天草だったのですが、交通機関のことがよくわからなくて新幹線を取ってしまい、6〜8時間かけて移動したんです。あと、ずっと実家暮らしだったので「初めての1人暮らしでちゃんと生きていけるのか」という点も心配でした。
にし: 私はお手伝い自体への不安はあまりなくて、それより「現地で会う人とうまくやれるか」の方策が気になっていました。ただ、数日間だけの滞在なので、合わない人がいても「終わればもう会わないから大丈夫」と思って、とりあえず参加してみようという気持ちの方が強かったです。

早川: 親御さんは心配されませんでしたか?
ふとたた: うちは結構過保護なので、最初に2週間の千葉の募集を見せて相談したときは反対されました。でも、その後に見つけた4日間の天草の募集に「どうしてもこれに行きたい」と伝えたら、期間が短かったこともあって許してくれました。
やどあし: うちも過保護なので最初は不安がっていましたが、おてつたびは仕事としてマッチングする仕組みなので、「もう仕事として申し込んじゃったから」と伝えたら、しぶしぶ送り出してくれました(笑)。
にし: 私の場合は逆で、最初に2週間の募集に行くと言ったら驚かれはしたものの、「1回やってみたら」とチャレンジを後押ししてくれるタイプの家庭でした。
はたけびと: 私は高校生の頃からずっと親におてつたびの話をしていたので、1回目は「行ってらっしゃい」という感じでした。逆に2回目の申し込みのときに、私自身が「これ、本当に大丈夫かな」とお母さんに言ったら、「行きなよ!」と前向きに背中を押されましたね。
早川: お母さんの方が前向き(笑)。自炊や生活面での不安はどうでしたか?
はたけびと: 私は一人暮らしで普段から自炊しているので、そこは特に不安はなかったです!
にし: 私は2箇所目に行った兵庫県のところが自炊で、「行けばなんとかなるだろう」と思っていたら本当に料理ができなくて、夜ご飯を作るのに2時間くらいかかって大変でした。それでもみんなでわちゃわちゃ作っている時間そのものは楽しかったです。
やどあし: 私は実家暮らしなので普段はあまり料理をしなくて、自炊自体は不安っちゃ不安だったんですけど、「自炊してみたい」というチャレンジしたい気持ちの方が勝っていましたね。
ふとたた: 私は最初の天草のとき、自炊を全く経験がなく、初日の買い出しで何を買えばいいか分かりませんでした。インスタントの味噌汁、ラーメン、カレーを4日分買い込んで、「最悪これだけ食べられればいい」と持っていきました(笑)。

想定外のトラブル、そして「第二の実家」や一生モノの仲間との出会い
早川: 実際、現地に行ってみてそのあたりの不安や生活はどうでしたか?
はたけびと: おてつたびに行くこと自体に不安はなかったのですが、その夏休みは長野旅行、青森旅行、そしておてつたびと予定を詰め込みすぎていて。案の定、現地入り1日目から38度の熱を出してしまいました。でも、次の日には復活して仕事に入ることができて。最初に行った長野の農場でも、同い年の女の子や住み込みで働いていた40代の方、東京から移住してきたパートの方など、大学にいるだけでは出会えない様々な世代や価値観の人と出会えたのが一番印象に残っています。
にし: 私が最初に行った長野のキャンプ場(併設のゴルフ場も一緒に)では、同年代でも他大学の学生だったり、専門学校を辞めた人やフリーターをしている人だったり、それぞれ違う道を歩んでいる人が集まっていて、すごく刺激を受けました。
ふとたた: 私は天草の旅館の方がものすごく優しくて、募集要項には「朝食のみまかない支給」と書いてあったのに、実際には3食ほぼ毎日、手作りのご飯をくださいました。用意したインスタント食品は現地のシェアキッチンに全部寄付して帰ったほどです。厨房で「ヤッホー」と声をかけると板前さんが刺身を食べさせてくれたり、女将さんが「あこちゃん、今日はどこまで行ったの?」と話を聞いてくれたり。同じ時期に、他サービスからその旅館に来ていた1つ年上のお姉さんとも仲良くなって、天草を案内してもらいました。住んでいる県も年も違うのに、本当の姉妹みたいになれたのが不思議でした。20歳の誕生日の夜をおてつたび先で1人寂しかったですが、たった4日間で本当に第2の故郷ができた感覚でした。今年の3月には地元の友達を連れて旅館へ遊びに行き、一緒にお手伝いもしました。
にし: 私は3つ目に行った三重県答志島の旅館が家族経営で、女将さんたちから「私たちのことはお父さん、お母さんって呼んでね」と言われ、本当に家族として過ごしました。年末年始に滞在し、一緒におせちを食べたり、地元の人しか知らない秘密のスポットから海に昇る初日の出を見に連れて行ってくれたり。おてつたびが終わった後、メッセージで「私たちも娘が1人増えた感じがしてとても喜びました」という言葉をいただいて、泣いてしまいました。成人式の写真をインスタに載せると、現地のスタッフさんからお祝いが届く関係性が続いています。
はたけびと: 私は愛媛のイチゴ農家さんに行ったとき、イチゴの選別やパック詰めのお手伝いをしながら、同世代の女の子5人で共同生活をしました。毎日一緒に働いて過ごすなかで信じられないくらい仲良くなって、今年の3月にはそのメンバーの実家(石川県)へみんなで泊まりに行き、今は「次は全員の実家を順番に回ろう」と計画しています!
やどあし: 最初に行った伊豆のグランピング施設は受け入れ人数が多く、社会人からフリーターまで、大学では出会えない個性的な人たちが集まっていました。あまりに楽しくて、東京に帰ってから同じ夏休みに同じ場所にまた2週間行きました(笑)。2回目のときにはメンバーが4人だけに絞られていて、毎晩みんなで部屋に集まってゲームをしたり、休館日にはホテルの普段入れないエリアで子どものように遊んだりした時間が一番の思い出です。和歌山に行ったときは、おてつたび先よりもシェアハウスにいたコーヒー屋さん経由で知り合った地元の方々との繋がりの方が濃くて、先日その方が東京へ観光に来た際も2日間案内して遊びました。

就活の軸、働き方の選択肢、ためらわずに「とりあえずやってみる」行動力へ
早川: おてつたびを経て、自分自身やキャリアへの考え方に変化はありましたか?
はたけびと: 私はまさに人生が変わりました。元々田舎の空気は好きでしたが、農業を仕事にすることは考えていなかったんです。でも愛媛でイチゴ農家での経験を経て、地方で働くことにすごく関心が出ました。今は西日本での就職や起業を考えて実際に企業を調べていて、将来的な就農も選択肢に入りました。色々な経営者の方と話す中で、いろんな考え方があることを知り、自分は「人の気持ちを大切にする働き方」をしたいという価値観が明確になりました。
ふとたた: 私は元々接客が好きで旅館に行きましたが、家族での久しぶりの旅行や、親戚の集まりの写真を撮ってあげたりと、お客さんとの関わりを通じてやっぱり接客が良いなと思い、現在はホテル業界を中心に就職活動をしています。「やりたいと思ったことはやる、合わない環境からは離れる」と自分の中での行動基準もシンプルになり、春からはアルバイト先もシティホテル系に変えて、現在は宴会スタッフとして働いています。
にし: 高校生の頃までは「将来は東京のオフィスで働くのが理想」と漠然と思っていました。でも、いくつかの地域を巡るなかで、何十年も1つの場所に縛られて働くのは自分の理想じゃないな、と気づき、複数の地域を移動しながら働くライフスタイルも模索するようになりました。
やどあし: 私は昔から『研究職になりたい』という目標があり、そこはブレていません。ただ、『研究職は視野が狭い』という先入観があって、『社会を知らない人間になるのが嫌だな』という思いがありました。おてつたびで様々な職場や地域を自分の目で見られたことは、キャリアを広い視点で考える財産になっています。

これから一歩を踏み出したい大学生へ。「数日間で人生が変わるなら、行っちゃった方が絶対にお得!」
早川: 最後に、迷っている同世代の大学生に向けて、先輩としてアドバイスをお願いします!
にし: 私は本来すごく内向的で、新しいことを始める前に考え込んでしまう性格でした。でも、おてつたびを重ねるごとにためらわなくなりました。不安を克服するために私がやっているのが「最悪の事態を想定すること」。バスに乗り遅れても「日本国内だから、最悪お金を出せば帰れるし、いくらでもリカバリーできる」と考えるんです。最悪を想定しても大丈夫だと分かれば、すんなり一歩を踏み出せますよ!
はたけびと: 本当に「とりあえずやってみよう!」の一言に尽きますね。日本国内だし、いつでも帰れるし、現地には助けてくれる温かい地域の人が絶対にいるから大丈夫です!
ふとたた: 電車や飛行機に乗っちゃえば、嫌でも現地に着きます!(笑) 普段のバイトや授業はいつでもできますが、おてつたびで「ここに行ってみたい!」と思える募集に出会えるのは今だけかもしれません。たった数日間〜数週間で人生観が変わるかもしれないなら、行っちゃった方が絶対にお得だし面白いに決まっています。
やどあし: 「やらないで後悔するよりは、絶対にやって後悔した方がいい!」これに尽きると思います。「やらない後悔」を減らすためにも、迷っているなら怖がらずに飛び込んでみてほしいです。
はたけびと: あとは、「1人で知らない土地に行っちゃう自分、ちょっとカッコよくね?」っていうポジティブなマインドを持つのもおすすめです(笑)。それがあれば、勇気を出してスッと一歩を踏み出せると思います!
早川: 皆さん、今日はリアルな本音や勇気が出る言葉をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました!

今回参加したメンバーの「おてつたび」Instagramアカウント
今回の座談会に参加してくれたメンバーが、各大学で立ち上げ・運営を行っている「おてつたび」Instagramアカウントです!
現地でのリアルな体験談や、イベント情報などを発信しています。気になる方はぜひチェック&フォローしてみてくださいね!
- 青山学院大学(ふとたた・はたけびと): @agu_otetsutabi
- 東京経済大学(にし): @tku_otetsutabi
- 早稲田大学(やどあし): @waseda_otetsutabi
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