
「おてつたび、楽しそうだなあ」
そう思って登録ボタンを押したのは、2023年の7月のこと。
でも、実際に最初の申し込みボタンを押せたのは、それから10ヶ月も経った翌年の5月でした。
今回お話を伺ったのは、岐阜県にお住まいの竹田知子さん(50代)。 現在は複数回のおてつたびに参加され、生き生きと旅を楽しんでいる竹田さんですが、実は登録から約1年間は、「サイトを見るだけで動けない日々」を過ごしていました。
「なぜ10ヶ月間も躊躇してしまったのか? 」
「勇気を出して飛び込んだ先で、一体どんな景色に出会えたのか?」
登録はしたけれど、あと一歩が踏み出せない。 そんな背中をそっと押す、竹田さんのリアルな葛藤と本音をお届けします。
「私なんて…」と10ヶ月。サイトを見るだけで指が止まっていた
── 登録から初申し込みまで、約10ヶ月のラグがあったんですね。
そうなんです。サイトは毎日のように、めちゃくちゃ見ていました。 夜に家事がひと段落したタイミングや、ちょっとした空き時間にスマホで募集をスクロールして。「あ、ここ素敵だな」「富士山の近くで暮らしてみたいな」って。
気になる募集を見つけては「お気に入り」ボタンを押してストックする。頭の中では「ここに行ったらどんな感じかな」って想像だけは膨らませていました(笑)
実は私、大学時代はサイクリング部に所属していて、自転車を担いで北海道や九州などを宿だけ決めて回るような学生だったんです。だから元々、知らない地域に行くこと自体は大好きなはずでした。
── それなのに、なぜ「申し込みボタン」が押せなかったのでしょうか?
やっぱり、最初はすごく勇気がいりました。 いざ申し込もうとすると、指が止まるんです。「夏休みやお正月、子供の休み期間は避けよう」とか、時期を理由にして先延ばしにしていました。
「子どもたちは私のことなんて必要としてないんでしょうけど、とりあえず登録だけして、置いておこう」って。 気づいたら、10ヶ月が過ぎていました。

転機はゴールデンウィーク。「言い訳」だと気づいた瞬間
── ずっと「見る専」だった状態から、2024年5月に動き出せたきっかけは何だったのですか?
一番のきっかけは、ゴールデンウィークでした。 ふと「あれ? 私、この連休でおてつたびに行けたな」って気付きました。
それまでは「連休は家にいなきゃ」と思い込んでいたんですけど、実際はそんなことなかった。「行けたのに行かなかった」と思ったら、「やっぱり行きたい! 」って勢いがつきました。
50代のうちにやっておきたい!という気持ちがずっとあったんです。
60代になったら、体力的なこともそうですし、受け入れ側のハードルも上がってしまうかもしれないじゃないですか。
だから、やるなら今のうちかなって。
── そこで気持ちが変わったんですね。
そうですね。それに、家族やおてつたびのスタッフの方と話す機会があって、「なんで行かないの?」と聞かれた時に、ハッとしたんです。 「いや、時期が…」「体力が…」と答えている自分に対して、「あ、これ全部、ただの言い訳だな」って。
そう気づいてからは早かったです。最後はもう、理屈じゃなくて勇気だけ。「エイヤー!」で、申し込みボタンを押しました。
旅だけじゃない、“仕事”の現実
── 申し込む前に一番不安だったのは「体力面」や「仕事内容」だと伺いました。実際に初めておてつたびに行ってみて、どうでしたか?
正直に言いますね。体力面はやっぱりハードでした(笑)。
河口湖のホテルでお世話になった時は、レストランの配膳と片付け、その後に客室清掃。広いホテル内を走り回って、掃除機をかけたりシーツを整えたり。 やることは普段の家事の延長なんですが、やっぱり「プロの現場」なのでスピード感が求められるんです。
少しずつ慣れていきましたが、「なるほど、こうすれば効率がいいのか!」って、目からウロコの連続でした。
最初のうちは仕事が終わった後はもう、足が棒になるくらいクタクタでしたね。
── 足が棒になるほど……! 正直、「もう辞めたい」とはなりませんでしたか?
なりませんでしたね。 最初はキツかったので、部屋に帰ってから家族に「今日は辛かった」って弱音のLINEを送ったことはありますけど(笑)。
それでも続けられたのは、同室のおてつたび仲間の存在が大きかったです。「大変だったね」って励まし合えたから、最後までやり遂げられました。 後日、彼女の地元に私が遊びに行って合流するくらい仲良くなれたので、この出会いは本当に財産ですね。
それに、「仕事として行っている」という責任感もありました。遊びではないから、途中で投げ出すような無責任なことはできません。
あと、意外と大きかったのが50代ならではの「割り切り」です。 若い頃ならいろいろ悩んだかもしれませんが、この年齢になると「みんな忙しいんだな」「そういう日もあるよね」って一歩引いて見れる。「まあ、いっか」って流せる精神は、50代の私の武器になった気がします。

「ご褒美」がすべての疲れを吹き飛ばしてくれた
── 大変なこともあって、それでもまた「次も行こう」と思えたのはなぜですか?
終わってみると、どの旅も最後は「本当にめっちゃ楽しかったな!」という満足感と感謝しかないから不思議なんですよね。
仕事はキツいんですけど、その分、ご褒美のような瞬間がたくさんあるんです。
河口湖の時なんて、ちょうど地元の花火大会の日と重なって。ホテルの値段も高騰するような日なのに、私たちはおてつたび仲間と一緒に見ることができました!「こんな贅沢していいのかな?」って思うくらい感動しましたね。
── まさに、頑張ったご褒美ですね。
そうなんです。朝5時半に起きて憧れだった目の前の富士山を見に行ったり、おてつたび仲間と一緒にドライブしてかき氷を食べに行ったり。普段の生活では味わえない景色や出会いが、仕事の疲れを全部吹き飛ばしてくれるんです。
だから、帰る頃には「また行きたいな」って思っちゃうんですよね。

「トモコさん」と呼ばれて。学生時代に戻ったような日々
── もう一つの不安要素、「若い人たちの中で浮かないか」という点はどうでしたか?
正直、兵庫県のグランピング施設に応募する時は、かなりハードルが高いなと思っていました。オシャレな施設ですし、若い方が多そうだなと。
でも、実際に行ってみたら、初日に「下の名前で呼び合おう」となって。「トモコさん」と呼ばれた瞬間に、年齢の壁も、主婦としての役割も、すっと消えた気がしました。
みんなで焚き火をしたり、バーベキューをしていると、もう本当に大学生の頃の合宿とか、修学旅行みたいな気分になっちゃって(笑)
こちらが勝手に「50代だから」と壁を作っていただけで、好奇心を持って飛び込めば、年齢なんて関係ないんだなと痛感しました。


「ひとり時間」を楽しめる自分を発見した
── 参加してみて、ご自身の中で変化はありましたか?
「一人旅って、こんなに楽しいんだ!」って気づいてしまったことですね。
今までは、旅って誰かと行って「美味しいね」「綺麗だね」って共感し合うものだと思っていたので、一人で泊まりがけの旅なんてしたことがなくて。 でも、おてつたびの休日に一人で上高地を歩いた時、すごく癒されたんです。鼻歌まじりで歩いて、好きな時に立ち止まったりして。久しぶりに、母でも妻でもない”自分”でいられた気がしました。家族や友達との旅行だと、どうしても「あれも見よう、ここも行こう」って予定を詰め込みがちじゃないですか。
でも一人なら、自分のペースでいい。公園で2時間くらいぼーっとしてても別にいい。この「自分の時間を楽しめる」という感覚は、大きな発見でした。「私、一人でも全然大丈夫じゃん」という自信と、これから先の興味や好奇心がすごく広がっていく気がします。


「エイヤー!」で応募してみる、きっと「行ってよかった」と思える
── 最後に、登録したまま迷っている同世代の方へメッセージをお願いします。
仕事は確かに大変です。筋肉痛にもなるし、しんどいこともあると思います。でも、その先には何物にも代えがたいご褒美が待っています。
不安なら、まずは「情報収集」だけでも始めてみてください。体験談を読んで、自分でも行けそうな場所を探してみることからでいいと思います。
私、家族によく言うんです。 「どっちを選んだって、最後は大丈夫だから!ちゃんと正解になるから」って。
そのくらいの気持ちで、ぜひ一回「エイヤー!」とボタンを押してみてください。 私も10ヶ月迷いましたが、勇気を出した先には、必ず「行ってよかった」と思える経験が待っていましたから。

おてつたびに年齢制限はありません。竹田さんのように、50代以上でおてつたびを楽しんでおられる方はたくさんいらっしゃいます。全国各地の募集から、ぜひ行きたい!と思うおてつたびに申し込んでみてください。
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