
「ギリギリの人数だったら、絶対休めないじゃないですか……」
常に「自分が風邪を引いたら迷惑がかかる」という緊張感が漂っていた繁忙期の現場。
しかし、「おてつたび」を導入したことで、人手不足の解消だけでなく、そこで働くスタッフの働き方や心持ちにも温かい変化が生まれました。
たとえば、
- 50代・60代の「家事のスキル」が即戦力に
- 「午後は半休を取りたい」と相談できる心の余裕
- 「ただいま」と年に一度帰ってきてくれるリピーターとのご縁
「おてつたび」で訪れた旅人は、単なる繁忙期の助っ人にとどまらず、現場に”安心感”と”余白”をもたらす存在となっています。
今回は、日本三大薬湯・松之山温泉にある『ひなの宿ちとせ』の女将、柳明美(やなぎあけみ)さんにお話を伺いました。

「日本三大薬湯」の一つ。その地で100年以上の歴史を紡ぐ「ひなの宿ちとせ」。



おてつたび導入の背景
── おてつたび導入前、現場はどのような状況でしたか。
ギリギリの人数で運営していたので、現場にはどうしても余裕がありませんでした。
「自分が風邪を引いたら周りに迷惑がかかってしまう」
「絶対に体調を崩せない」
と、スタッフ全員が常に緊張感を持って仕事をしていました。
── 外部の人材を入れることに、不安はありませんでしたか。
正直、最初は怖さもありました。以前、派遣スタッフをお願いした時に、日替わりで来る方に教えるだけで一日が終わってしまい、現場が疲弊してしまったことがあったからです。
「また同じことになるんじゃないか」「かえって現場の負担を増やすだけじゃないか」。そんな不安が、導入前には確かにありました。
── そこで、新しい選択肢として「おてつたび」を選ばれたのですね。
はい。名前がずっと頭に残っていて、ふと思い出して調べたのがきっかけです。
実際に来ていただくと、1週間や10日間というまとまった期間いてくださるので、2日目、3日目となれば仕事の流れも分かってきます。教える側の負担も減りますし、何より「毎日同じ方が来てくれる」という安心感が、現場にとってすごく大きかったんです。
50代・60代の「家事スキル(清掃業務)」が即戦力に
── おてつたびの方には、どんな仕事をお願いしていますか?
今は清掃まわりのお手伝いが中心です。布団上げから始まって、お部屋の片付け、掃除機かけ、洗面所まわりなど。チェックアウトからチェックインまでの間、短時間で集中して部屋を仕上げる、裏方のお仕事です。
── 参加される方の傾向はありますか。
ここ最近は、50代、60代の女性に来ていただくことが多いですね。来てくださった方の多くは、日々の生活の中で段取りや手際を積み上げてこられているので、清掃の勘どころをつかむのが早いなと感じます。
当館でお客様をお迎えしているスタッフも同年代が中心なので、話もしやすいですし、現場に馴染むのが早い印象がありますね。

短期人材だからこその「ペア制」と「動画マニュアル」の工夫
── 短期間でもスムーズに動いてもらうための工夫はありますか。
一番大切にしているのは、うちのスタッフと必ずペアになって動いてもらうということです。「ここを一人でお願いします」と任せきりにすることはありません。
ペアなら分からないことはすぐに隣の先輩に聞けますし、お互いに無駄な動きがなくなります。何より、誰かが一緒にいることで、安心してお仕事していただけているのかなと思います。
── マニュアルなどは用意されていますか?
はい。10分程度の動画を用意して、初日にQRコードでお渡ししています。
言葉だけではどうしても伝えきれない部分もありますが、動画を見ていただくことで、お掃除の全体的な流れを大体分かってもらえるようにしています。
以前いただいた参加者からのレビューでも「わかりやすいマニュアルもいただけました。わからないことは尋ねれば快く教えてくださいます(40代女性)」とおっしゃっていただけて、一安心でした。
個室・まかない・温泉。心休まる「住み込み環境」
── 滞在中の生活について、工夫されている点はありますか。
来てくださる参加者には、仕事だけじゃなく、松之山温泉での滞在そのものも楽しんでほしいんです。生活まわりは「気になる点を事前に解消しておく」意識で整えています。
ちとせが用意している生活・滞在環境は、例えば次のようなものです。
- 個室の用意: 6畳〜8畳の和室(個室)を用意し、プライバシーを確保
- 洗濯の配慮: 洗濯機2台を用意し、室内に物干しスペース(ピンチハンガー等)を確保
- 温泉の利用: 空き時間は「日本三大薬湯」の温泉に自由に入れる
- 食事の提供: 昼・夜のまかない付き(お休みの日も提供。ただし、旅館の休館日は厨房がお休みのため提供なし)
こうした生活面の不安を減らすことも、安心して来てもらうために先回りして整えている部分です。仕事のあとは自慢の薬湯にゆっくり浸かって、疲れを癒やしていただければと思います。

「人が一人いる」だけで空気が変わる。現場に生まれた心の余裕
── おてつたびの方が来てくれるようになって、現場はどう変わりましたか。
一人いてもらえるところで、ちょっと”心の余裕”というか。これが何よりの変化です。
以前なら「忙しいから無理」と諦めていた場面でも、おてつたびの方が一人いてくれるだけで、スタッフも「午後は半休を取りたいです」と相談できるようになりました。人が一人いるというだけで、現場の空気は全然違うんです。
「万が一の時も、誰かがいてくれる」。 その安心感があるだけで、スタッフみんなが精神的なゆとりを持って働けるようになったのではないかと思います。
【参加者の声】雪国での暮らしと、温かな交流のリアル
実際に参加された方からは、温かいレビューと共に、これから参加する方への実用的なアドバイスも寄せられています。これらは、受け入れ側が準備すべきことのヒントにもなります。
▼ 宿の雰囲気・受け入れ体制
「スタッフ全ての方が同僚として見てくださり、居心地よくお仕事をさせていただきました」(60代女性)
「実働7日間でしたが、数ヶ月間そこにいるような錯覚を感じるくらい、自然に溶け込めました」(50代女性)
「自分の受け持ちが終わらないと別の方が手伝ってくださいます。お掃除チームの方たちは丁寧に仕事を教えてくださいました」(40代女性)
▼ 準備しておくと良いもの(重要!)
「仕事は靴下で作業することになります。慣れないうちは足の裏が痛くなりやすいので、厚手の靴下を持参するといいです」(60代女性)
「近くの商店の品揃えは少ないので、朝食、飲み物、お菓子などは持っていかれたほうがいいです」(40代女性)
「朝9時前に玄関掃除で外へ出る際は寒かったので、脱ぎ着しやすい上着があると便利です」(60代女性)
▼ 温泉・滞在の楽しみ
「日本三大薬湯というだけあり成分が濃いので、湯あたりを避けるため短時間で入りました。毎日入れるのが幸せでした」(60代女性)
「館内の施設『ちとせ文庫』の本は読み放題。仕事が終わると読書三昧で、期間中に数冊読ませていただきました」(60代女性)
「まかないのお米が本当に美味しくて、たくさんいただきました!」(30代女性)

「一度きり」で終わらせないためにレビュー活用。年一回戻ってきてくれるリピーターも。
── 募集の工夫について教えてください。
初めて募集するときは、他地域の宿のページを参考にしました。参加者が来るようになってからは、実際に書いていただいたレビューを読み返し、「どこが分かりづらかったか」「何が安心材料になったか」を見つけて、次の募集に反映しています。 応募してくださる方の志望動機や想いを大切に読ませていただいています。ミスマッチを防ぐためにも、お互いに納得した上で来ていただくことが大切だと感じています。
おてつたびで出会った方が、今は遠く沖縄にいらっしゃるんですが、年に一度、「ただいま」と里帰りするように戻ってきてくれるようになったんです。長いときは、もう1ヶ月ほど滞在してくれます。 玄関でその顔を見ると、スタッフみんながパッと明るい顔になって、「おかえりなさい!」って駆け寄っていく。そんな温かい光景が生まれています。
また、今年のGWの募集をしたところ、当館のおてつたび第1号の方が再応募していただきました。もちろんその方を採用し、再会をとても楽しみにしているところです。 第1号の方は当館も初めての受け入れでご迷惑をお掛けしながらも、とてもお話の合う方でたくさん色々な話をし、とても記憶に残る方でした。
このようにまたご縁をいただくこととなり、おてつたびの皆様にも心より感謝申し上げます。短い滞在期間ではありますが、関係性がとても深まり、その後につながる方が多いのが何よりうれしいです。
実は、近所の旅館さんにも「人手不足で困っているなら、こういうのがあるよ」って紹介したんです。 そうしたらそちらのお宿もすぐに導入されて、今では活用されているようです。「助かったよ」と喜んでいただけたので、紹介してよかったなと思います。自分たちの宿だけじゃなく、松之山温泉全体でこうやって人が来てくれるようになれば、それが一番いいことですから。
── 最後に、参加を検討されている方へメッセージをお願いします。
当館は温泉が自慢の宿です。お仕事の後は、日本三大薬湯の湯にゆっくり浸かって、疲れを癒やしていただけます!
旅をしながら、こうやってお手伝いしていただけることが何よりありがたいです。雪国の景色と温かい温泉を用意して、お待ちしています!

取材で印象に残ったのは、柳女将が「午後は半休を取りたいです、と言えるようになった」という変化を繰り返し言葉にされていたことです。
「人が一人いる」という安心感が、現場の空気を支えている。そのことが、インタビューの端々から伝わってきました。
ただ効率を求めたのではなく、現場に「心の余裕」を作りたかった──。
そんな女将さんの想いが、50代・60代の方々や、遠方からのリピーターとの良いご縁を引き寄せているのではないかなと思います。
もし、「人手不足をなんとかしたい」と悩んでいる事業者の方がいたら、一度、おてつたびという選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。
“距離”を超えて届く”ご縁”が、思いもよらないかたちで、
あなたの現場を支えてくれるかもしれません。
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おてつたび | 【事業者様向け】全国の人材とマッチング「おてつたび」は、「お手伝い」と「旅」を組み合わせた造語で、 人手不足に悩む地域事業者(農家・ホテル・旅館など)と、 働きbusiness.otetsutabi.com
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