約1200年前に弘法大師・空海によって開かれた日本仏教の聖地『高野山』。世界遺産にも登録されており、みなさんも聞いたことがある地名ではないでしょうか。
高野山は和歌山県の山あいに位置し、夏は青々とした緑に包まれ、冬は雪が静かに降り積もります。
今回は、高野山地域の活性化に取り組んでいる『高野山未来創造プラットフォーム株式会社』の古川陽一郎さんに、おてつたびを利用した背景や、募集時に工夫していることを伺いました!
高野山とはどんな場所でしょうか
高野山は世界文化遺産に登録されており、金剛峯寺や奥の院など歴史的に貴重な寺院がいくつも存在しています。
約50カ寺の宿坊寺院があり、宿泊しながら寺社文化を体験できるようにもなっています。
実は高野山という山はなく、山全体がお寺であり修行と信仰の場所です。
初めて高野山を訪れた方は、神秘的な雰囲気に感動されると伺います。非日常を感じられ、心も身体も浄化される感覚になるみたいです。
高野山未来創造プラットフォームはどんなことをしている会社ですか?
『高野山未来創造プラットフォーム株式会社』は、内閣府に所属する株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)が組成した「観光遺産産業化ファンド」からの出資により、世界遺産・高野山地域の構造課題を解決することを目的として、一般社団法人高野山宿坊協会及び株式会社DMC高野山との合弁により、2023年1月に設立された会社です。
2024年10月には、総本山金剛峯寺や高野山内の宿坊寺院26カ寺の出資も加わりました。
不動産の開発・管理、および集客増大・生産性向上のためのITシステムを開発・保有、加えて働き手不足を解決する人材事業を展開しております。



今は移住・定住に繋がる取り組みも考えており、さまざまな角度から高野山の発展に資する事業を作り上げているところです。
おてつたびを利用した背景
高野山の地域経済活性化を考えるうえで、最大の課題の一つは「人手不足」でした。
高野山地域の経済活性化の為に考えなければいけないことが観光客の「滞在時間」を延ばすことです。より長い時間を過ごしていただくにあたって、欠かせないのが宿泊場所ですが、高野山内の宿坊寺院では人が全く足りておらず、本来備えている客室を十分に開放して運営することが難しい状況です。
部屋数が30室あったとしても、5室から10室程しか開けられない宿坊寺院も珍しくありません。

そこで「高野山に関心を持っている方の力を借りて、人手不足を解消できないか」と考えるようになり、まずはおてつたびを使って人が集まるのか実験してみることにしたんです。
おてつたび利用前に不安だったこと
おてつたびでは面接ができないので、どんな方が来るのかわからない点が不安でしたね。
しかし、申込者のプロフィールや応募理由をよく読み、例えば「高野山で自分を見つめ直したい」というような『高野山での滞在体験を自分なりに意義づけしている方』を積極的に採用しています。
2023年のGWに初めておてつたびで1-2週間の募集を出したところ、たくさんの方から応募があり、その後も継続して募集を出しています。
おてつびとさん(おてつたび参加者)には宿坊寺院の清掃や配膳などのお手伝いをメインに、繁忙状況次第ではカフェや案内所でのお手伝いをお願いしています。

おてつびとさんを受け入れるにあたって、いくつか工夫していることがあります。
まず、フルタイムのシフトにしないということ。1日に5時間くらいのシフトにして、仕事の前後でも観光できるようにしたり、週2日は休みにしたりと、空いている時間で高野山を満喫できるようにしています。
仕事以外の時間も大切にしてもらうことで、高野山で過ごす時間を充実したものにして欲しいと思っているんです。
参加者のなかには、朝 仕事が始まる前に『奥の院』まで散歩している方もいらっしゃいました。
また、宿坊寺院によって仕事のやり方が違うので、私たちの方でマニュアルを作り、みなさんがスムーズに仕事に取り組めるよう心がけています。
“仕事を含めた高野山での暮らし”を特別なものにしてもらうことで、高野山のファンになっていただけたら嬉しいですね。
印象に残っている「おてつびと」との出会い
おてつびとさんの中には、人生の岐路に立っている方もいました。
例えば、子育てがひと段落して、新しい人生のスタートラインに立った40-50代の女性や、一定の社会人経験を経て、次のステップに進もうとしている20-30代の方などです。
みなさんに共通しているのは「自分がどうなりたいか」に真剣に向き合い、高野山で働くことに価値を見出しているところです。
そういった方が高野山で新しい気付きを得て、新しい人生を歩みはじめ「新しい職場で頑張っています」「就職が決まったのでまた行きます」と連絡をくれたりします。
こちらとしては、みなさんが労働力になるだけでなく、それぞれが特別な体験をしてくれたことがとても嬉しいですし、高野山にとっても価値があることだと思っています。
おてつたびを利用する理由
私たちの至上命題は「働く」という時間を体験化すること。だからただお金を稼ぎたいだけの方には他のリゾートアルバイトが向いていると思います。
世の中にはたくさんの人材紹介サービスがありますが、おてつたびには「地域を巡りたい」など、地域から得られる体験をリターンに感じてくれる層が集まっていると思います。
その中には、私たちが来てほしいと思う人たちも多くいらっしゃいます。
現在は、当社独自の採用活動を強化しており、一定の人数を定常的に確保できていますが、まだまだ宿坊寺院さんからのニーズは強く、人員がなお不足している時期におてつたびを利用しています。

最後にひとことお願いします!
これまで117名以上のおてつびとさんを受け入れてきました。(※2025年5月時点)
これからもたくさんの方に来ていただきたいと思っており、新しく寮を設けるなど体制を整えているところです。
高野山で暮らしてみる・働いてみるといった体験に関心のある方はぜひエントリーしてみてくださいね。お待ちしております。
宿坊寺院・高野山デジタルミュージアム・新中の橋会館Forest Blue・中央案内所などで「おてつたび」をしてみたい方は、下記のページよりフォローいただくと、募集を再開した時にいち早く情報をゲットできます◎





