みなさんは、大学休学を考えたことはありますか?
おてつびと(おてつたび参加者)のなかには、大学休学中で、おてつたびを何度も使って全国を旅する方もいらっしゃいます。
今回、お話をきいた遊木凌央(ゆうき りょう)さんは、休学期間を利用して、三か所のおてつたびに参加。そんなご自身の経験から、「休学とおてつたびは相性がいい」と言い切ります。
縁あって休学という選択をした先で、出会った『おてつたび』。休学中におてつたびで各地を訪れた遊木さんに、休学中のおてつたびの魅力について、お話を伺いました。

●おてつたび先情報●
①おてつたび先:宮川洋蘭
行き先:熊本県・宇城市うきし
期間:2021/4/26(月)-2021/5/10(月)
お手伝い内容:母の日に向けてお花の発送作業や、各種蘭の手入れ(仕立て)の作業
詳細:https://otetsutabi.com/plans/297
②おてつたび先:太陽ファーム
行き先:愛媛県・大洲市おおずし
期間:2021/6/21(月) – 2021/6/30(水)
お手伝い内容:キャベツ・タマネギの収穫
詳細:https://otetsutabi.com/plans/277
③おてつたび先:ええのうかー
行き先:佐賀県・佐賀市
期間:2021/7/3(土) – 2021/7/6(火)
お手伝い内容:夏場のアスパラガス収穫及び草取り作業
先輩の紹介で見つけた「休学」という選択肢、その先で出会った「おてつたび」
僕は、おてつたび代表の永岡さんが出ていた学生向けのオンラインイベントで偶然おてつたびに出会い、休学期間を利用しておてつたびに行きました。元々は海外留学に行きたいという想いがあったのですが、新型コロナが流行している状況なので難しいですし、まずは日本を知ろうと思ったんです。
僕は大学3年生の3月から就活を始めたものの、「このまま社会に出てしまっていいのかな」と腑に落ちていませんでした。夢だった海外留学も行けず、自分にできることが少ないと感じていて、もやもやしていたんです。
そんな時に大学の先輩から教えてもらって参加したのが、東京のシェアハウスの1ヵ月滞在プログラムです。選考を通過した若者が、滞在しながらやりたいことに挑戦できるというもので、縁あって選考を通過させていただきました。そこでの出会いが僕を変えました。
それまで、僕の周りには休学をしている人はほとんどいなくて、みんなストレートで大学を卒業してそのまま就職する方が多かった。それなのに、そのシェアハウスに行ったらほとんどの方が1年ないしは2年ぐらい休学していて。しかも、ちゃんと理由があって段階を踏んでその道を選んでいました。
僕が知らなかっただけで、こういう世界があるんだ、と衝撃を受けました。
そして、そのシェアハウスにいる人に紹介してもらったのが、永岡さんの出ていたイベントだったんです。「何か新しい経験ができそう」と思い、おてつたびに申込みました。

(少し寄り道してもいいんだと思えた。おてつたびで、色んな新しい経験をしてみようと思った)
地域の見え方が変わり、日本がもっと大好きになった
熊本県の花農家宮川洋蘭さんでは、母の日に向けたランの出荷のお手伝い。
愛媛県の農家太陽ファームさんでは、タマネギの収穫。
佐賀県の農家ええのうかーさんでは、アスパラの収穫のお手伝いをしました。

(熊本県の花農家でのお手伝い。ひとつひとつ、丁寧に、かつ素早く作業を進めていきます)

おてつたびに行ってみて、地域の見え方がかなり変わりました。
僕は兵庫県の都心部に住んでいたので、偏見ですが、「地域」に対して「虫」とか「田舎」とか「何もない」というイメージをずっと持っていました。
実際におてつたびで地域に滞在するまでは、旅行する時もどちらかというと綺麗なホテルがある都会的なところばかりを選んでいたので、”地域”とか”田舎”にはあまり縁がありませんでした。
今回おてつたびで行ったことのなかった場所に行ってみて、地域の人たちの温かさであったりとか「自然の中で過ごすのってこんなに素晴らしいんだ!」といった部分に気付きました。
ご飯がおいしい、野菜がおいしい、景色がきれい、空気がきれい、といった地域の魅力を知って、もちろん都会も大好きだけど、僕は「地方」「地域」が、もうめちゃくちゃ大好きになりました。

本当に『おてつたび』のおかげで、人生を2倍楽しめるようになったというか、旅行の選択肢が2つになったというか……。
おてつたび先で、色んな人や環境にリアルで触れたことでこんなに素敵な世界が同じ日本でもまだまだあるのかと心から感激しました。人生の早い段階でそんな魅力に気づくことができて、本当に良かったなと思っています。
『おてつたび』を通して、僕は地方、さらには日本がより大好きになりました。

おてつたび中の僕の発信で、みんなが楽しんでくれたら嬉しい
おてつたび参加前に、「意識的に発信していくと、おてつたびをより楽しめるよ」とスタッフの方から聞いていたのもあって、おてつたび中は自分のSNSで発信していくことを常に意識していました。

僕は大学1年生の頃から、自分が楽しんでいる事の発信を意識的に続けています。
僕のSNS投稿に対して、友達が「元気を貰える」などと反応していてくれていたのが嬉しいなと気付いたことがきっかけです。何気なく共有した僕の経験が、友達の選択肢になったら嬉しいなという想いがあります。
僕が一番大切にしているのは、友達が見て「面白い」と楽しんでくれる発信をすること。
お手伝いは、今までしたことがない内容も多かったので、みんなにシェアしたいことばかりでした。
たとえば、タマネギの頭の部分を十字に切り続ける作業。
大きなコンテナで大量のタマネギが運ばれて来て、がらがらっと目の前に山積みになる。そんで、そのタマネギを拾って頭を切り続ける……。

そんな、普段は触れないようなことをしている姿を友達が楽しんでくれたらいいな、これで笑ってくれたらいいなと思っていました。あとは、「遊木がこんなことやってるんだったら、僕もやってみようかな」という風に思ってもらえたら嬉しいですね。
友達には旅好きや地方が好きな友達が多くて、「おてつたびって何なの?」とか「俺もやってみたい」とコメントや連絡をもらうことも結構ありました。
自分がやっている姿を見せることで興味を持ってくれる友達や、参加したいという友達も増えたので、発信していてすごく良かったなと思います。

おてつたびを通して変わったのは、「当たり前」への感謝の気持ち
おてつたびを通して変化したと思うのは、ものの見え方です。
自分の中での当たり前が、実は色々な人のおかげで成り立っていることを意識するようになりました。
そして、そのことに深いところから感謝できるようになったこと。
食卓に出される食材は誰かが作ってくれて運んでくれるからこそ食べられるのだし、家事も親がしてくれていたから自分が何不自由なく暮らせていたという事に気づき、感謝できるようになりました。

おてつたびを通して自分の中での当たり前の基準が変わるのを実感しました。
当たり前の裏には絶対に関わっている人達がいるんです。普段、スーパーにある野菜っていうのは僕らにとっては食材かもしれないけど農家さんからしたら毎日毎日いろんな手間をかけて育てたものですよね。
多くの人はスーパーのタマネギのコーナーで見てもなんとも思わないかもしれないけど、やっぱ一つ一つにストーリーがあるし、そこに関わっている人たちがたくさんいる。
だから、食材はただの商品じゃなくて、いろんな思いがあって、今ここに出てるんだなという視点が生まれました。

いろんなお手伝いを経験して、もちろん楽しいことばかりではなかったですが、大変な経験をした事で自分の弱さにもたくさん触れる事ができました。それが結構自分の頑張るベースになってると思うんです。
これからの自分の選択肢も広がったなって思っています。本当に、休学中に出会った色んな出会いと色んな地域に感謝、ですね。

編集後記
遊木さんは、おてつたび参加を迷っている方に対して、「行った先での出会いがたくさんの可能性につながっていくから、とにかくいろんなところに行ってみるべき」だと言います。
”休学という選択肢は、決してネガティブなものではない。もし休学という選択をするのであれば、その期間を最大限生かせるように、色々なことに挑戦してほしい。”
おてつたびでの経験を糧に、残りの休学期間も充実したものにしていきます、と語る遊木さんのそんな思いが、インタビューからしっかりと伝わってきました。
スタッフ一同、これからも応援しています。そして、何よりも遊木さんの活躍を楽しみにされているのはきっと、おてつたび先の地域の皆さんなのではないでしょうか。
遊木さん、ありがとうございました!!
【 取材・執筆:田中沙季 】




